先日、入手した金色のKING SEIKOファースト。どうもコレがきっかけで自分の中に「KS」魂の火が点いたようで…
「ステンレスモデルのキングセイコーも欲しい…‼」
44系、45系、52系、56系などなど、調べるほどに魅力的なラインナップがたくさんあるキングセイコー。「正直、全部欲しい!」っていうのが本音ですが、さすがにそんな散財できるワケもなく、お手頃な個体をまずは1台、とヤフオクで探す日々。
「キングセイコーなら裏側にメダリオンがあるヤツがイイなぁ」とか、「でもワンピースケースはロードマチックの時に整備大変だったから
避けたいなぁ」とか、まあ悩む要素は盛りだくさん。
自動巻きの56系は生産数も豊富だったのか、比較的に選択肢も多く、状態次第では安く買えそう。このモデルはワンピースケースにしか裏側メダリオンが無いようで、仕方なくメダリオンモデルはあきらめ。
よく故障しやすいと評判(?)の日送り部分の揺動レバーに関しても、幸いなことに同じ56系のロードマチックをイジっていた時のストックがあり修理できるので、むしろ安く入手できるであろう「56KS日送り故障系ジャンク扱い」物件を積極的に探索…
そして落札したのはコチラ。

キングセイコー5626-7113。6ケタの製造番号見ると「41****」とあるので1974年製。40年以上前の個体ですね、自分より年上。なのに、日送り以外は普通に動いてるのが改めて思うとすごい。さらに40年がんばれ。
ケース、風防ともに、全体的に小キズはかなり多め。こうゆうの入手すると「どうやって磨いてキレイにするかなー!」と、かなりワクワクしてくる自分がいます。

とりあえず分解して中の様子をチェック。部分的にオイルのカス汚れが目立ってたのでバラして超音波洗浄でキレイに。

噂の日送り部分で、右側がキングセイコーのモノ。黒い箇所が樹脂製で、割れのため日送り不可状態。よぉく見てもドコが割れているのか、よくわかりません。左側は交換用に取り出したロードマチックのモノ。安心の金属製です。

風防はガラス製で、かなりの小キズ多め。全てのキズを研磨で消すのは正直厳しいと判断。思い切ってガラス部分を新品と交換することにしました。
ネットショップでガラス風防を専門に取り扱う店があったので、こちらで購入。ミネラルガラスは1枚700円代。コレがサファイアガラスだと4000円代、6倍ほどに跳ね上がる。さすがモース硬度9は伊達じゃない。
長い目で見るとサファイアガラスの方が良いのかもしれないけど、ガラス風防の交換なんて初なので、まずは低コストで済ませられる方向でミネラルガラスをチョイス。
純正に比べると厚みが異なり、半分ほどの薄さ。強度的なことを考えるとこの時計の取扱いは大事にしていかないとかな…
まずは現在嵌まっているガラス風防とリングをヒーターの前で温めながら押してゆき、ポコッと外す。4~5分ほど温めると外れてくれました。

今度はこのリングに新しいガラスを嵌めこんでゆく。接着にはガラス&金属に使用できる二液を混合してゆくエポキシタイプを使用。
そして今回、一番の難所となったのが文字盤。届いた実物を改めて見ると、文字盤の端部分がまあヨゴレ目立つ目立つ。「とりあえず超音波洗浄にかけとくか」と、ひたすら洗浄してたのだけど…

まあ、なんということでしょう…
表面の幾層かが部分的に剥がれてしまった…さすがにコレは使えない…(泣)
文字盤もパーツで入手しようと探してみるも、良状態のモノは見つからず。。。
そして、どうなったかと言うと…

ひとまずロードマチックの文字盤を入れて急場をしのぐ。「まあこの際、キレイなら[KS]ロゴが[LM]でもいいか」と妥協することに。

そして、とうとう購入しました、圧入器。約2000円弱。コイツでベゼルを嵌め込む。今まで風防やベゼルを散々苦労した記憶が何だったのかと言うくらい簡単に嵌め込めて、拍子抜けするほど。もっと早く買っておくんだった…!
ベルト部分は革も考えたのだけど、ちょうど一つ余っていたAmazonで安かったノーブランドの無垢ブレスを装着。弓カン部分はほぼ加工無しで上手くハマッてくれたので、特に手間取らず。

という訳でコレにてオーバーホール完了!
風防の交換など、今までやったことないことに着手できたので今回はなかなかの達成感でした。