SEIKO SKX007 改造ド定番ダイバーズ |
今回は、機械式腕時計好きなら「今さら!?」の感もありますが、「ブラックボーイ」の異名を持つ、「SKX007」の話題となります。
この「SKX007」、ダイバーズウォッチとしての防水性と視認性の高さ、扱いやすくて丈夫な7Sムーブメント、そしてお手頃な価格と、三拍子も四拍子もそろったモデルで、国内はもとより海外でも人気が高い定番です。
その定番っぷりから、腕時計にしては珍しくカスタマイズ文化も発展しており、ベゼルや針、文字盤などの社外品パーツも豊富で、ネットで画像検索すると様々なカスタムモデルが出てきて、ソレを眺めているだけでも結構楽しいんですよ。
もちろん、ノーマル状態で十分に魅力的なモデルで、クセの無い文字盤&インデックス、それでいて適度に重厚感のあるケースなど、魅力的なポイントを挙げればキリがありません。
特に文字盤に対するポイントインデックスのサイズ感などは、「黄金比」と言ってもイイくらい完成度の高い盤面デザインではないでしょうか。
インデックス自体は平面的なプリントで蓄光が盛られていて、高級感はありません。ケース表面の仕上がりや、サファイアではなくハードレックスの風防、回転ベゼルのプリントなど、チープさは多々ありますが、それらはすべて「良品を安価に」というコストダウンの産物でしょう。
そして、なまじデザインが完成されているが故に、その辺りのチープさが「あー、風防がサファイアでさえあれば…」とか「ベゼルがコレじゃないんだよなぁ」という不満となって、人々がカスタムに走るのだろうな、と予想。
私個人の不満点としては、中身のムーブメント。いくら丈夫とはいえ「手巻き&ハック機能の無い7Sムーブメントはちょっとなぁ…」と、どうにもソソらなかったので、これまで購入には至らずだったのです。
だがしかし…
先日の「ブルッキアーナまつり」で購入した、NH35ムーブメント(7Sの発展型、4Rの外販モデル)の有効活用を考えた時に真っ先に思い浮かんだのが、このブラックボーイ「SKX007」に組み込むことでした。
そんなワケで、まずはSKX007を、いつもの如くヤフオクで目ぼしいジャンク品から探して落札したのがコチラ。
「振ってもすぐに止まってしまう」という状態のジャンク品を落札。さすがに人気モデルなので、この状態でも八千円弱のお値段となりました。セイコーのウレタンバンドが付属はしていましたが、純正のモノではありませんでした。
風防にはいくつも小キズが入っていたので、まずはコレを磨いて消してゆきます。
↑いつものごとく、砥石の#1000→#3000で磨いて…
↑酸化セリウムの入ったキイロビンを使ってリューターで仕上げます。
同時にケースの方も小キズがあったので、リューターで磨いてキレイに。コチラはサンエーパールと青棒をかけてササッと仕上げ完了。
↑ブルッキアーナのムーブメントはコチラのモデル(その後、結局このダイバーズ風も買っていたのです)から取り出しました。
↑上がSKX007の7Sムーブメント。下がブルッキアーナのNH35。カレンダーの曜日が無いので曜日板は移植します。
↑日付の方は元のSKX007に使われているモノを使おうとしましたが、日付と曜日で微妙にズレが生じているのがわかりますか?
なるべく現状維持はしたいのですが、ズレが出ては仕方がないので、NH35に使われていたモノをそのまま使うことにしました。
↑日付のリング。左がSKX007で右がブルッキアーナ。内周にある歯の位置が異なり、このせいで微妙にズレてしまうんですよ。数字フォントの太さも違うのですが、まあコレくらいなら、と自分を納得させて交換です。
↑そして今回のハイライトはこのリューズ部分。7SとNH35では巻き芯の形状も異なるので、NH35のリューズから取り外してSKX007用のリューズを取り付けます。
↑ブルッキアーナ(NH35)の方はネジ式の巻き芯だったので、はんだごてで熱して接着剤を弱めたらポロッと簡単に取れました。
SKX007(7S)の方はネジ式ではなく打ち込み式で、何をどうやっても巻き芯がリューズから外れず。
↑ムリヤリ引っこ抜こうとしたら、こうなるので要注意です(笑)
↑ネジ式の巻き芯に合わせるために、リューズはコチラ「tools852」で購入しました。
↑そのまま付けるとこんな感じで長すぎるので、巻き芯を適度な長さにカット。
↑コチラで長さの調整完了。接着剤(ロックタイト243)で固めて完成。
諸々を組み合わせて出来上がったのがコチラ。
当たり前ですが見た目は、まんま通常のSKX007。とりあえず、落札した時に付いていたウレタンバンドのまま使用してますが、いずれ近いうちにステンレスブレスに換えようと思ってます。カスタム用に様々なブレスが売られておりますが、何故か純正の5連タイプが一番グッと来るんですよね。今のところ、この腕時計にラグジュアリー感はあまり求めていないからでしょうか。
他にもベゼルや風防などパワーアップさせられる項目は幾つかあるんですが、今のところは、この「大いなるマスプロダクト」的趣向の外観を楽しみたいので、しばらくはこのままの「ムーブメントのみ交換済み」状態で使用していくつもり。ベゼルや風防の交換は後の楽しみとして取っておくコトにして、何だかムダに手巻きをしたり、秒針止めたりしてニヤニヤと楽しんでおります。
フフフ、長い付き合いの出来そうな腕時計が、また1つ増えてしまいました。困ったモノです(笑)